特養に入所している老親の外来受診。
家族が付添いをしている割合は、一体どのくらいなのでしょうか?
この外来受診の問題。
施設にとっても家族にとっても、
頭の痛い問題ですね。
我が家の場合も、
まさにこの問題に直面しています。
認知症でリウマチの義母は、
現在、特養に入所中です。
リウマチ科のお薬の処方を、
特養の往診医に拒否されました。
そこで、
新たにリウマチ科を探し、
家族が受診の付添いをしています。
今回は、
・義母のリウマチ科受診に家族が付きそう事になった経緯
・どのようにして受診先を探したのか、
・受診における特養との役割分担、
などについて、
我が家の実例を書いてみました。
皆様のご参考になると嬉しいです。
▶︎特養入所でほっと一息。次に待っていたのはリウマチ科の受診先探しです
しばらくの間、
「ショートステイのロング利用」で、
間をつないでいた義母でしたが、
ありがたいことに、
9月に正式に特養入所ができました。
※ショートステイのロング利用についての投稿はこちら
▽
『ショートステイのロング利用』を遠距離介護でどう使う?①
入所できて、ひとまず、ほっと一息。
次に待っていたのは、リウマチ科の受診先探しでした。
通常は、特養に入所すると、
往診医の訪問があり、お薬も処方してくれます。
ところが、
専門外の病気については、
診てもらえないことがあります。
義母の場合も
「リウマチは専門外です。」
との理由で、
薬の処方を拒否されてしまいました。
正直、困りました。
でも、
リウマチ薬を止めるわけにはいきません。
しかも、特養に、
「協力病院以外の受診の付添いはできません。」
と言われてしまいました。
その特養の協力病院には、リウマチ科はありません。
「うわ!!でたーっ!!(^◇^;) 外来受診の付添い問題・・・・。」
手持ちのリウマチ薬が切れるまえに、
①新たな受診先を探す
②受診の付添いをどうするか考える
この2つをなんとかしないといけません。
そもそも、
特養に入所中の高齢者が病院受診をする場合、
付添いは本来、特養の義務のようです。
ですから、
この特養のように、
「家族でお願いします。うちの特養ではやりません。」
とハッキリ言い切ってしまうのは、
実はアウトです。
ただし、
入所の際にあらかじめ書面で家族の同意を得ていれば、
グレーとはいえ、特養側の主張が通る場合もあるようです。
ちなみに、
我が家の場合は、
口頭の説明を受けただけで、文書同意はしていません。
もろもろの事情を理解した上で、
我が家が、
”当面は家族が病院受診に付き添う”
と決めたのは、
・定期的に義母の面会にいくのだから、その1回を外来受診にあてればよい
・義母は精神状態が不安定なので、家族も付き添った方が良い
・病状が把握できる
・リウマチ科の医師との信頼関係を築いておいたほうがよい。
・特養とも円滑な信頼関係をつくりたい
という理由です。
横浜ー埼玉の片道50㎞。中距離介護。
車でも電車でも2時間弱。
まぁ、ギリギリの距離です。
なにはともあれ、
こうして、
義母のリウマチ科探しのミッションが始まりました。
※
もしも、
日帰りがしんどい遠距離介護なら、
「家族が付き添います」なんて、絶対に言いません。
遠距離介護の方は、
こちらの記事を参考にしてください。
外来受診の付添いについての投稿です。
▽
遠距離介護で、親の通院の度に帰省するなんて無理! ヘルパーさんが同行できないってホント?? 入退院の時は??
▶︎義母のリウマチ科受診に家族が付き添う事になった経緯
実は、
特養入所の際に、
「リウマチの薬は往診医の先生に処方してもらえそうですか?」
と、にケアマネに確認していました。
答えは、
「症状が落ち着いているなら多分大丈夫です」
とのことでした。
その時点で、
ホントかな?
と半信半疑でした。
で、
案の定、
往診医に断られてしまいました。
特養での初めての往診の日、
「リウマチ科の薬は、往診医の先生に処方してもらえませんでした。
専門医に診てもらったほうがいいみたいです。
お薬がなくなるまえに、どこか専門医を受診してください。
受診の付添いは、ご家族でお願いします。」
と電話がありました。
特養からの説明は非常にシンプルでした。
私は看護師なので、
この説明でも、
「あ、、、、やっぱりね・・・。」
と、理解できますが、
医療知識のない家族に納得してもらうには、
ちょっと言葉が足りなすぎます。
なぜ往診医に拒否されたのか、
もうすこし納得できる説明が欲しいところです。
我が家の場合は、
私から夫と義姉に追加の説明をしました。
なぜ、往診医から断られたかというと、
リウマチ薬(メトトレキサート製剤など)
を服用していると、
医学的管理が難しいからです。
少なくとも、3ヶ月に一度は採血をして、
全身管理をしていかないといけません。
「専門外なので引き受けたくない」
というのは、
往診医の素直な反応なのでしょう。
さて、断られたとなると、
義母を診てくれるリウマチ科を探さなくてはいけません。
今の義母の認知症の精神症状を考えると、
これまで通院していた大病院への通院は到底ムリです。
我が家の作戦会議のスタートです。
▶︎送迎=特養、院内付添い=家族。特養との役割分担の交渉について
特養からの説明は、
先ほど書いたとおりシンプルなものでした。
結局は、
・家族が受診先を探し
・家族が送迎も含む受診の付添いをし
・家族が薬局でお薬をもらってくる
というものです。
そう言われても、
送迎から全てとなると、結構大変です。
義母の精神症状(暴言・暴力・介護拒否)
に波があるからです。
おそらく、
施設から連れだすだけでも大変です。
不穏状態を少しでも少なくするため、
待ち時間を最小限にする方法も考えなくてはなりません。
そうした事を考えた結果、
病院までの送迎=特養
院内付添い=家族
このパターンで作戦をすすめることにしました。
病院は予約制とはいえ、診察は受付順の事が多いです。
家族が先に受付をすませておき、
義母が到着したらすぐに診察してもらう。
これなら、待ち時間を最小限にできます。
そのためには、
”送迎から院内付添いまで、まるごと家族にやってほしい”
という特養側から、
”特養が送迎をする”
という譲歩を引き出さなくては
いけません。
そこで、特養に、
こんな質問をしてみました。
「現在、特養が外来受診の送迎をしている入所者はいますか?」
「どのエリアまで送迎しているのか教えていただけませんか?」
その結果、
その特養では、
半径3㎞程度のエリアについては送迎している事がわかりました。
ならば、
半径3㎞圏内のリウマチ科を探そう。
作戦は成功。
実際にマッピングした地図を見せて、
”このエリアの病院だったら送迎してもらえる”
と確約をもらいました。
▶︎義母の通院先探しで重視したポイントとは?
実際にリウマチ科探しをする上で、
重視したのは、以下の3点です。
①特養からなるべく近い事(半径3キロ以内)
②規模が小さいクリニック(待ち時間がすくなく融通がきく)
③医師の専門性と連携病院
です。
①について
特養に送迎をしてもらうための絶対条件です。
②について
義母は精神症状が不安定なので、
大病院の混雑した待合室などはとうてい耐えられそうもありません。
不穏になってしまうと、
検査も診察もできません。
義母がなるべく落ち着いていられる環境で、
待ち時間は最小限にしたい。
そうなると、
小規模クリニックのほうがいいのです。
③について
リウマチ科の専門医である事が大事です。
また、入院できる病院との連携も大事。
もしもリウマチで入院する場合に備えるためです。
以上の条件の中から、
特養の周辺にあるリウマチ科をかたっぱしからリサーチし、
候補のクリニックを2つに絞りました。
そして、
実際に電話をかけて、
受け入れの可否、
混雑状況や待ち時間の目安、
駐車場の数、クリニックの雰囲気などを確認をして
受診先を最終決定しました。
初診の日時を決め、
特養側に送迎の約束を取り付け、
無事に、初診の日を迎えたわけです。
▶︎リウマチ科初診を無事クリア。特養との役割分担も成功o(^▽^)o
初診の日は、朝7時に横浜をでて、9時前にはクリニックに到着。
1番目に受付をして、特養からの義母の到着を待ちました。
到着した義母は、
なかなかじっとしていられず、
終始ウロウロとクリニックを出たり入ったりでしたが、
なんとか無事にレントゲン撮影もできました。
今思うと、
初診の間、
義母がおとなしく椅子に座っていたのは奇跡です。
とりあえず、第一関門はクリアです。
医師に、
「思ったより大丈夫そうですね。
なるべく待ち時間を少なくすれば、
次回の付添いは特養さんだけでも大丈夫じゃないですか?」
などと言っていただきました。
なんていい先生なんだろう!!o(^▽^)o
そうだったら、どんなにいいか…。
▶︎ありゃりゃ、あの暴れっぷりは無理だわー( ;´Д`)
さて、先日は、
2回目のリウマチ科受診でした。
義母は、
初診の時とは比べものにならないくらいの
暴れっぷりでした。
暴言暴力のオンパレード。
連れてきてくれた特養のスタッフさんによると、
朝から機嫌が悪かったとのこと。
特養スタッフも私たち家族もクリニックの先生も
みんな、
「困っちゃったな・・・・」
です。
どんな様子だったのかは、また次回。
少し難しいですが、
リウマチ薬(メトトレキサート)の医学管理についてはこちら↓
https://www.ryumachi-jp.com/publication/pdf/MTX2016kanni.pdf
大丈夫!なんとかなりますよ!o(^▽^)o
遠距離介護のケアミーツ Chie
http://care-meets.com