介護情報

『ショートステイのロング利用』を遠距離介護でどう使う?①

前々回の投稿で触れた、
「ショートステイのロング利用」
のお話です。

 

遠距離で介護しているご両親が、
自宅生活が困難になった場合の
選択肢として、
ご参考になればと思い、投稿しました。

 

そもそも、
介護保険では、
ショートステイのロング利用という言葉はありません。

もちろん、
「ロングステイ」という言葉も存在しません。

いずれも、
介護保険制度で正式に認められているサービスではないのです。

正式にはあくまで、
「ショートステイ」です。

遠距離介護でショートステイを利用する場面

 

そして、介護保険上、
ショートステイの連続利用は30日が限度と定められています。

でも、現実には、やむを得ない事情において、
「ショートステイをロング利用」しているケースは沢山あるようです。

在宅での介護が困難だけれど、
グループホームや特養などの施設に空きがなくて、
すぐに入居ができないなどのケース利用される場合が多いです。

病院で退院をせまられた!
けれど、
自宅に戻るのは困難。

そうなると、
遠距離介護の場合
自宅以外の受け皿を探さなくてはなりません。

遠距離介護の場合は、
”家族自身が自宅で介護する”という選択肢はないのですから、
切実な問題です。

 

実際に、私の父の場合も、
特養のショートステイをロング利用した経験があります。
しかも、2回も!!

1度目は、グループホームの空きをまっている間、
2度目は、特養の空きをまっている間
でした。

つまり、
一般的ではないけれど、

「以前からあって」
「ケースによっては普通に使われている」

裏技ということです。

決して、表に出せないやましいことをしているわけではないので、
ご安心を!o(^▽^)o

 

経済的に、有料老人ホーム入居が可能なら
受け皿はいろいろあります。

でも、使えるお金やいろんな条件で絞り込むと、
選択肢はおのずと限られてきます。

・医療依存度
・負担できる金額(年金の金額など)
・介護度(特養の入所は原則要介護3以上)
などなど。

 

さらに、
こちらの条件をしぼりこんでも、
施設に空きがあるとは限りません。

 

特養の待機者は
以前より減ったとはいえ(要介護3以上に制限されたからです)、
場所によっては、まだまだ多いようです。
地域によって状況はかなり変わります。

そんな
待機期間の対策の一つとして、
よくすすめられるのは、
老人保険施設(老健)への入所です。

でも、
老健は高額なお薬を飲んでいる方の入所を
断られる場合が多いのも事実です。
(このあたりの話は、また別の機会に書く事にします。)

老健の入所も断られ、特養は順番待ち。
そんな困った場合にどうすればよいか?

 

そこで、
登場するのが、

特養のショートステイをロング利用するという技

特養の正式入所は、
原則要介護3以上です。

でも、
ショートステイの利用は
要介護1でも可能なのです。

しかも、基本的に、
正式入所と同等のサービスが受けられます。

地域差もあると思うのですが、
選ばなければ、利用できる可能性大です。

そもそも、
遠距離介護であれば、
頻繁に施設に通うわけではないのです
「どっちみち遠い!」と思えば、
実家からの距離が少し離れたところで、
大差ないのでは?
そう思えば、選択肢は広がります。

ことさらリハビリで自宅復帰を目指すわけでもなく、
むしろ、

「特養に入所したい」

そんな場合でしたら、
特養のショートステイをロング利用しながら、
正式入所の順番がくるのを待つ、
というのも、アリなのです。

 

ケアマネさんに、
「ショートステイのロング利用が可能なところを
探して欲しい」

お願いしてみましょう!

介護保険の裏技的解釈って?

さて、
ここからは、
介護保険の制度の裏技の話です。

介護保険のショートステイ利用では、
①連続30日以内
②介護保険期間の概ね2分の1以内
とう二つの壁があります。

その二つの壁を、
都合よく解釈するのです。

 

まず、
①連続30日以内について。

ショートステイを利用して
30日経過したら、
31日目は、1日分自費にします。
(実際に、この日の分は10割負担になります)
32日目から連続30日間は再び介護保険内で再スタート。
そして、
31日目で1日自費。

つまり、

30日分 介護保険
1日分 自費
30日分 介護保険
1日分 自費

その繰り返しです。

これで、①の壁はクリア。

 

次に問題になるのは、

②介護保険の概ね2分の1以内
という壁。

大まかにいうと、
一年の半分、つまり6ヶ月で上限が来るということです。
(認定期間により正確な期間は変わってくるのですが、まぁざっくり)

でも、おそらく大丈夫。

 

遠距離介護の場合、
”実際に直接介護をできる家族がいない”
という理由で
やむなくショートステイを利用いるわけで、
それを無理やり退去させられることはおそらく・・・・ないです(^◇^;)

 

”特養の空き待ちで、やむなくショートステイのロング利用をしている”
と、
ケアマネも特養側も理解していると思いますし、
特例対処で処理してくれる可能性大です。

しかも、
ショートステイのロング利用しながら
特養入所の順番待ちをしている事は、
優先順位判定にも、有利に働きくこともあります。

一方、
施設側にとっては減算になるので、多少収益が減ります。
なので、嫌がる特養もあります。
とはいえ、ショートステイ専用ベットに空床が出ている施設は
喜んで受け入れてくれるところもあります。

「受け入れ可能な施設」を探しましょう!

 

さて、
あとは、

ショートステイの費用の問題

 

先ほど、特養のショートステイは介護1でも利用可能と書きました。
でも、利用限度額の問題があります。

介護1で利用可能な介護保険点数の枠をはみ出た分は、
自費になってしますのです。

ちなみに、極論ですがショートステイしか利用せず、
各種加算を計算に入れない場合で、

介護1 で 25日程度
介護2で  28日程度です。
介護3になると、保険内でまかなえます。

 

はみ出た日数分は自費です。

かかる費用は、
介護保険の負担分+部屋代+食費+個人で使う雑費

です。

※費用の話は長くなるので、続編として書きます!

 

その他

余談ですが、

小規模多機能のショートステイをロング利用する場合について。

なんと、
小規模多機能居宅介護は、
ショートステイの日数制限はありません!

え?ホント??

ってかんじですよね(^○^)

しかも、基本サービスは1ヶ月の定額制です。
ただし、お部屋代が別にかかます。
こちらは自費。つまり施設が決めています。

一泊1300円〜5000円程度です。
(平均2000円〜3000円)

小規模多機能ショートステイのデメリットは、

小規模多機能のケアマネさんに担当を変える必要がある事と、
ロング利用はあくまで一時救済の手段であって、
小規模多機能の施設にずっと連続宿泊できるわけではない事です。

また、定額制なので、
施設側にとってロング利用は採算割れになる可能性が高くなります。
もとから小規模多機能を利用している場合か、
もしくはいずれは在宅復帰で小規模多機能を利用する可能性は
検討してみてもいいかもしれません。

 

こんな風に、それぞれにメリットデメリットはあります。

 

その他、施設によって諸経費が変わりますから、

トータルの費用負担についても、
慎重に検討する必要があります。

 

いずれにしても、
月額費用が20万円を超えることはおそらくないです。
有料老人ホームよりは低く抑えられます。

 

実際には、

施設の種類、4人部屋か個室かなどで保険点数も変わりますし、
本人の年収(年金額等)により変わってきます。
詳しくは担当のケアマネさんとご相談ください。

以上、
今回は、ショートステイのロング利用の情報でした。

 

みなさん!遠距離介護を乗り切りましょう!

 

Chie

遠距離介護のケアミーツ

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちえさん
遠距離介護のケアミーツ代表