8/12のブログで、ショートステイのロング利用について書きました。
その記事はこちら↓
『ショートステイのロング利用』を遠距離介護でどう使う?①
その中で、「特養の入所待ち」について触れました。
そこで今回は、
特養入所の条件、
「”要介護3以上”って、絶対条件なの?」
という疑問について、書きたいと思います。
結論をいうと、「要介護1、2」でも、入所可能な場合があります!
それは、
「特例入所制度」の活用です。
▶︎要介護1、2でも特養に入れる特例入所の基準とは?
皆さんは、
「特養は要介護3以上じゃないと入れない!」
「要介護3じゃないと順番待ちもできない!」
と、思い込んでいませんか?
実は、大丈夫なんです。
冒頭の画像は、
私の住む横浜市で、実際に提供されているパンフレットの切り抜きです。
記載されている内容はこちら↓
【特例入所制度について】
平成27年4月より、特別養護老人ホームは原則要介護3以上の方を対象とした施設になりましたが、
要介護1・2の方でも以下の要件に該当する場合は、特例的に入所が認められます。ア 認知症であることにより、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、居宅において日常生活を営むことが困難である。
イ 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、居宅において日常生活を営むことが困難である。
ウ 家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態である。
エ 単身世帯または同居家族が高齢・病弱である若しくは育児・就労等により、家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が十分に認められないことにより、居宅において日常生活を営む事が困難である。
要介護1・2の方で入所を希望される方は、入所申込書に記載されている特例入所要件の該当欄にチェックを入れ、お申し込みください
以上
横浜市介護保険パンフレットより抜粋
と書かれています。
しかも、一つでも該当すれば、特例入所制度の適用が可能です。
▶︎特例入所を遠距離回ご視点で考えてみると
遠距離介護という視点で見ると、
少なくとも、
”項目のエ”は、該当するのではないでしょうか?
①老親が1人暮らし、
または、
②父と母だけの世帯で、高齢のため互いの介護が困難
という場合です。
デイサービスやヘルパー訪問を受けていても、
介護保険サービスの利用だけでは暮らしが困難。
しかも、息子娘は遠距離に住んでいて、十分なサポートができない場合です。
次に、
認知症であれば、”項目ア”も該当します。
さらに、なんらかの精神疾患(うつ病など)があれば、”項目イ”
も該当します。
「でも・・・・特例入所って、ハードルが高いのでは?
よほどの事がないと使えないのでは?」
と遠慮していますか?
それは、単なる思い込みです。
それから、
この特例制度を行政が積極的に宣伝していない為に起こる誤解です。
この制度の最初の注意書きをもう一度みてみてください!
「要介護1」と書いてあります。
そもそも、要介護1程度で大丈夫なんです!
特に、認知症がある老親の一人暮らしを、遠距離介護で支えている娘息子世帯の方で、
介護に悩んでいる方がいらっしゃったら、
選択肢の一つにしてはいかがでしょうか?
もちろん、入所される高齢者本人が了解する事が大事ですが、
「いざとなったら、特養に入所できる」
と思うだけでも、
息子娘世帯の心の負担は軽くなるのではないかと思います。
▶︎勇気を出してお願いしてみる
そこで、私から、大事なアドバイスがあります!
この”特例入所制度”、
パンフレットにはこんなにちゃんと書かれているのにもかかわらず、
担当のケアマネも、病院のケースワーカーも、教えてくれません。
実際に、私がサポートしたケースでも、
ほとんどの場合、施設側から教えてくれることはありませんでした。
なので、
要介護1や2の親を特養に入所させたい場合には、
ケアマネに、
「特例入所制度で入所できる特養を紹介してほしい」
と、ピンポイントではっきりお願いしましょう!
▶︎施設側の視点からみると
では、施設サイドの立場としては、どうでしょう?
”特例入所に関して
受け入れ可能な施設と、受け入れに拒否的な施設があります。
入所者の受け入れについては、特養ごとに基準や優先順位を設けています。
つまり、受け入れるかどうかは、特養の判断です。
まずは、費用の面。
ユニット型個室を例にとると、
利用者の自己負担額(施設サービス費)は1割負担でだいたい
要介護1 20100円/月
要介護3 24506円/月
です。
引き算すると、
差額は¥4400程度です。
という事は、
施設側にの収入としては、その10倍、
¥4400×10=¥44000の差額となってしまいます。
収益だけみると、
要介護1の利用者を受け入れた場合は、
要介護3の利用者を受け入れた時と比べて
¥44000の減収となるのです。
待機者が多い人気の特養だと、特例入所を受け入れるメリットが少ないので、
難しいかもしれません。
一方、
”要介護3”の基準ができて以降、
空床に悩む特養もあります。
交通アクセスが不便だったり、建物が少し古めな特養は
空床で苦戦している傾向があります。
そうした特養であれば、受け入れて頂ける可能性は大きくなります。
まずは、
「特養は要介護3以上しか入れない」とう思い込みを捨てましょうo(^▽^)o
そして、
勇気をだして、ケアマネや施設に交渉してみましょう!
遠距離介護で不安を抱え込んで、
ご自身の暮らしを手放す決断をする前に、
なんとか打開策を考えませんか?
ご自身が共倒れにならない事が、なにより大切です!
「今はまだ頑張れる!」
という方も、
「先を思うと、不安でしかたない・・」
とう方も、
「今まさに困っていた!」
という方にも、
少しでもお役にたてたらと思い、投稿しました。
大丈夫!
あきらめずに、チャレンジしてみましょう!
遠距離介護を乗り切るには、
遠慮なんてしている場合ではありませんo(^▽^)o
17年の遠距離介護生活を
「ずうずうしくお願いする」
で乗り切った、私からのエールです!!(^_^)
Chie