こんにちは! ちえです。
先日、義母が退院しました。
入院日数35日、手術から33日目の退院です。
前回の記事にも書いた通り、
義母は、日頃から不安が強く、
それが周囲への攻撃になって現れるタイプです。
車椅子の状態(歩けない)で退院することになったのも、
理由は、その不穏(攻撃性)にありました。
リハビリが困難(拒否)で、
主治医から退院勧告を受けたわけです。
今回は、
どのような経緯で車椅子での退院に至ったのかを
書きたいと思います。
これ以上のリハビリは無理です」と病院からサジをなげられた
結果的には、退院勧告ですね(苦笑)
美しい言い方に変えるとするならば、
「ご本人のために、このような選択をオススメしますよ」
と、アドバイスされたとでもいいましょうか。
やり取りは、こんな感じです。
「先生からお話がありますので、病院に来てください」
といわれて、
夫と2人で病院にいくと、
主治医から治療経過の説明が・・・。
医師:レントゲン写真を示しながら、
「手術した骨は、順調に回復しています。見てわかるとおり、新しい骨もできてきていますね。非常に順調です」
と笑顔。
私:(おお! よかった!!)
医師:「僕は、これでゴールと思っているんですが。ご家族としてはどうですか?」
私:「あのぉ・・・。リハビリはどこまで進んでるんでしょうか」
(ゴール・・・?。 まだ歩けてないよね?・・・・)
医師:「今はですね、サークル歩行器での歩行練習をしています。
調子の良い時で50メートルくらい歩けるんですよ。」
私:「すごい!50メートルも歩けるようになったんですね!
では、歩いて退院できそうですか?」
医師:「いや・・・。。
実はですね、
実際には車椅子生活だと思います。
本人が嫌がってリハビリをやらないことも多いんです。
スタッフに対しても機嫌が悪いと殴る蹴るの暴力もあるので、
リハビリもなかなか進みません。
このまま入院していても、
これ以上の回復は難しいんじゃないかと思っています。
それとですね、
日数的に、この病棟には居られないので、
どうしても入院していたいということでしたら、
包括病棟に移っていただく事になります。
でも、
実際は、これ以上の改善は難しいですよ。
たまたま機嫌がよいときにリハビリできたとしても、
リハビリ拒否が何日もつづくとADLが下がります。
その繰り返し。
結果として、いつまでも歩けないのです。
なので、この辺をゴールにして、
ホームに帰られた方がいいんじゃないかと思うんですけど・・・」
と言う説明でした。
医師は、非常に穏やかな、ジェントルマンです。
その医師に、
優しく、
でも、
キッパリと
「ホームに帰れ」と言われると、
さすがに凹みますね。
口調は穏やかですが、
「早く退院してほしい!!」
という強いパワーを感じました。
その時、
傍らで、看護師さんが事務作業をしていたのですが、
その背中から、
「先生、粘り強く戦ってください!絶対、退院させてください!」
というオーラがヒシヒシと漂ってきます。
単なる空想ですが、
カンファレンスで、婦長やスタッフに、
「先生、頑張って退院させてくださいねっ!」
って、せっつかれてるんだろうなぁ・・・。
と。
(看護師だったので、なんとなく想像できてしまう・・・)
私:「なんとか・・・歩けるところまで頑張れないでしょうか?」
医師:「うーん・・・。難しいですね。
暴力があるので、スタッフも大変なんですよ。
僕も、こないだ、パンチされました。
チカラがあるわけではないので、
怪我をさせられるって事は無いんですがね・・・。
それから・・・。
もしも、包括病棟に移るとしても、
期限をきめてもらえませんか?」
と返されました。
抵抗むなしく、
病院側の決心は固そうです。
こりゃ・・・ダメですね…>_<…
完全に、さじを投げられています。
その日は、その場で結論を出すのを避け、
「家族でじっくり話し合って、近日中にお返事をします」
と言って、病院を出ました。
選択肢はふたつ
まとめると
医者から提示されたのは、以下の2パターンです。
①包括病棟に移ってリハビリを続けてみる。ただし期限付き。
②車椅子で退院する
そのどれかに決めてほしい。
どちらにしても、短期間で退院してほしいという事です。
①の場合
メリット=うまくいけば再び歩けるようになる。
デメリット=包括病棟への引越し(環境の変化)でさらに不穏がエスカレートし、
結果的に認知症がすすむ
②の場合
メリット=住み慣れた特養に戻ることで不穏がおちつく
デメリット=車椅子生活になる(歩けない)
我が家でも相当悩みましたが、
①「車椅子で退院する」を選ぶことにしました。
包括病棟に移っても、おそらく、リハビリはムリでしょう。
スタッフの顔ぶれも変わり、
それによって精神的な動揺がさらに高まってしまいます。
順調にリハビリを続ける事は、あまり期待できません。
まぁ、
骨折した当初を思い返せば、
「あの状態で、手術が無事にできるんだろうか?」
という感じだったので、
退院までこぎつけただけでも、ありがたいことです。
そう思う事にしました。
退院の日
かくして、
退院の日を迎えた義母ですが、
退院当日もひと騒動ありました・・・。
「ダレが退院するなんて言ったんだ!!!アタシは、退院なんかしたくないんダヨっ!!」
と、不機嫌MAXです。
え?そーなの??
「テメーっ!こんなトコに入れやがって!!」とか言っちゃって、
病院を嫌がったよね??
そんなこんなで・・・
・湯のみを投げる、
・枕を投げる、
・大声で罵倒する
元気いっぱいのエクササイズをしてからの。。。
退院です・・・…>_<…
騒動のさなか、
チラッと、看護師さんの様子を見ると、
完全スルーして、しれっと、仕事をしています。
なるほど・・・。
義母との激戦の一ヶ月間が、
いかにスタッフを消耗させたか想像できます・・・。
また・・・新たな伝説を作りました。
かくして、
特養への復帰をとげた義母ですが、
特養の玄関に着くと、
キョロっと周りを見渡し、
「ただいまーっ」と言って、何事もなかったかのように、車椅子でお部屋に戻ってきました。
やれやれ・・・_| ̄|○
まとめ
この一件で改めて考えること。
認知症で対応が困難な患者の場合、
治療やリハビリのゴールをどこに設定するかは、
非常に難しい問題であると思います。
ADLを維持するのは、理想ではあるけれど、そこに「正しさ」を求めてしまうと、
本人も家族も疲れてします。
今回の我が家のように、ADLという観点からは、
「正しくない」とわかっていても、
それを選ばざるをえない状況もあります。
家族によって事情は様々です。
だったら、
「今だって、100点だよね」と
受け入れてみるほうが、
本人も家族も周りもラクになるってことも、
ありますよね。
▽骨折したけど、
▽無事に手術できてよかった!
▽術後の骨の経過も順調だよね♪
▽特養に戻れて、よかった♪
という感じでしょうか。
私は思うんです。
義母なりに、毎日もがいている。
必死で明日を探している。
必死で自分の居場所を探している。
・・・と。
義母も辛いんです。
そう、思います。
家族は、
そこから逃げることができません。
家族だって、必死に明日を探しています。
いいじゃないですか。
まぁ、これでよしとしよう(o^^o)
それぞれの価値観で、
それぞれの家族に合ったやり方で、
それでいいんだと、私は思っています。
以上、退院のご報告でした*\(^o^)/*
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