介護情報

増水した川で義父が遭難!瀕死の状態で捜索隊に救助されました!

しばらくぶりの投稿です。

しばらくの間に・・・身内にまさかの大事件が起こっておりました。

埼玉で一人暮らし中の81歳の義父が、
台風で増水した川に取り残され、瀕死の状態で発見されました。

台風ニュースでよくあるパターン。

「〇〇市に住む△△さん80歳の行方が分からなくなっています。
増水した川に流されたものと思われます」

まさに、アレです。
そんな事件が、身内に起こるとは・・・。

今回の投稿は、我が家の大騒動で考えた事を書こうと思います。

 

【捜索隊が出た!ヘリコプターも出た!ダイバーも出た!義父救助の経緯】

 

介護は突然、一本の電話から始まる・・・・。

でも、それがまさか、警察からの電話、
しかも、遭難者の身元照会の電話とは・・・( ;´Д`)

電話を受けた義理姉は、さぞかし腰を抜かしたことと思います。

状況はこうです。

台風による大雨の後、自転車に乗った義父が川沿いの土手に入っていった。

たまたま、それを目撃した方がいた。

その土手は大雨の後、急激に水かさが増す場所だった。
心配した目撃者が、警察に通報してくださった。

まもなく土手は水没

捜索隊が出たが、日没により捜索を中断

翌日の捜索ではヘリコプターもダイバーもでた

昼頃になって、低体温で意識混濁状態の義父が発見された

救急搬送され、一命を取りとめた

です。

もう少し発見が遅れていたら、命が危なかった・・・・・。

まさに危機一髪の状況でした。

義父はかすかに反応する状態で救助されたわけですが、
本人は救助された時の事をまったく覚えていません。
病院に運ばれた記憶もありません。

どうやって自分の名前が言えたのか?
まさに奇跡です。
もしも名前が言えなかったら、
意識が回復しなかったら、
身元不明のまま、家族と二度と会えない可能性もあったのです。

 

【3次救急について。3次救急病院に入院させてもらえる日数とは?】

義父が運ばれたのは、24時間救急救命ができる大病院です。
いわゆる3次救急病院。

病院は、救急医療の度合いに応じて、以下の3つに分類されています。
(自治体毎に整備されています)

1次救急は、軽症患者(帰宅可能患者)に対する救急医療
2次救急は、中等症患者(一般病棟入院患者)に対する救急医療
3次救急は、重症患者(集中治療室入院患者)に対する救急医療

日本救急医学会 ER検討委員会のサイトより

義父はこの3次救急病院に運ばれたわけです。
救急病棟。

運ばれた当初は、意識は混濁してせん妄状態。
のべつまくなしにうわ言を言い、起き上がろうとしたり点滴を抜いたりして危険なので、
ベットに紐で縛られていました。
しかも、濡れた状態で夜を明かした事による長時間低体温の影響で、
腎機能と肝機能にダメージがありました。

私は、
「しばらく入院かなぁ?」
と思っていたのですが、
医師の説明は予想外でした。

「おそらく1週間くらいで退院できるでしょう」
とのこと。

入院期間は1週間?
え?ほんと??
大丈夫なの??

でも、本当だったのです。
ぴったり7日目に退院となりました。

さすが、日々修羅場を経験されている救急のお医者さんです。
予想通り、ぴったり1週間で退院とは、おそれいりました。

スピード退院の理由は、

義父がもともと健康で体力もあり、回復が早かった事が一つです。

もう一つは、

”病院が3次救急病院だった”こと。

3次救急病院は、急性期を脱した高齢者がのんびりと療養できる場所ではないのです。

そんなことわかってはいるけれど、
予想以上に退院が早すぎて、家族としては慌ててしまいました。

退院の時点では義父はまだお粥しか食べられませんでした。
しかも、たった二日前までは寝たきりだったのに
この状態で退院だなんて。

せめて一般病棟に移って、
食事も普通食を食べられるようになるまで
入院させてもらえると思っていたので、大慌てです。

義理姉は
「当面はなにを食べさせたらよいのですか?」
と看護師さんに聞いたそうですが、
「なんでも食べて大丈夫です。なにをしても大丈夫です。制限はありません」
と言われたそうです。

え?
じゃあ、まだおかゆなのはなんでだっけ?
コーラも禁止されてるのはなんでだっけ?
ヨロヨロしか歩けないけど大丈夫なんだっけ?

はてなマークが沢山だったそうですが、
救急病棟のなかで質問できる雰囲気でもなく、
そのまま退院となりました。

こんな時、家族がちょくちょく親元に行けない遠距離介護だったら、
どうしていたでしょう?
もちろん、全力で、療養病院を探していたと思います。

「はいわかりました、退院します」なんて絶対無理ですものね(^◇^;)

 

【名前が言えなければ身元不明になるところだった】

 

義父はたくさんの方の善意で命を助けていただきました。
そして、そここには、たくさんの奇跡がありました。

・発見されたこと
・一命を取りとめたこと
・身元がわかったこと

本人が名前を言えない状態だったら、
ひょっとして身元不明のままになる可能性だってあったのです。

市内に住む義理姉が定期的に訪問していたとはいえ、毎日ではありません。
そうなると、

数日たった後に、義父がいないことに気がつく

慌てて捜索願いを出す

身元がわからないので、見つからない

という事態もありうるわけです。

義父は、
年相応の物忘れはあるものの、
特別な介護が必要ではない状態です。
なので、まさか行方不明になるとは思っておらず、
所持品に名前を書くなどの対策をしていませんでした。

今回の事件があった事で、
要介護状態でなくても、
不測の事態に備えておく必要性を改めて感じました。

 

【高齢者の見守り。身元がわかる事がもっとも大事】

 

では、どこまで備えておくか?
難しい問題です。

今回学んだ教訓は、
「身元がわかる事が第一」
ということでした。

究極といえば究極ですが、
お財布も持たず、ふらりと出かけることが多い老親ならば、
靴や衣類や持ち物に名前を書いておくのは有効です。

身元がわかるようにしておく必要性は、
なにも認知症高齢者に限ったことではないという事です。

老親の行動をいちいち制限する事もできませんし、
いつ起こるかわからない事件事故をすべて未然に防ぐこともできません。

でも、身元さえわかれば、
”なにかがおこった後”でも対応が可能です。

私も、義父の靴や衣類に名前をかいておくことにします。

これは簡単ですし、すぐにできます。

遠距離介護者の皆様も、さっそくやってみませんか?

親御さんに「こんな事例もあるよ」とお話頂き、
帰省の際に、一緒に名前を書いてみてはいかがでしょう?
下着の端っこでかまわないのです。
身元がわかることが大事です。

 

【ヨロヨロの自転車運転。危険なのにとめられない家族の苦悩】

さて、
退院して9日目。
義父の家には、真新しい自転車が置いてありました。
義父が自分で買ってきたのです。

まだ体力も戻らず、少し散歩するだけで疲れて横になる状態なのに?

本人は
「自転車買ったけど、それがなにか?』
といわんばかりにそらっとぼけています。

川で水没した自転車は、長男長女と嫁の私の3人で
土手に回収に行き、廃棄処分にしました。
泥に汚れてタイヤには草が絡まり、ボロボロになっていました。

廃棄も結構大変だったのですが、

当の本人は
「あー、自転車捨てられちゃったのかぁ・・・残念」
というような感じです。

 

「自転車に乗るのは体力が回復してからにしてちょうだい!!」
「事故でも起こして周りに迷惑かけたらどうするのよ!!」

と長男長女にあれだけ注意されたにもかかわらず、しれっと自転車を買ってきたわけです。

「心配ご無用!オレは大丈夫!」

意味不明の自信すら感じます・・・(^◇^;)

あれほどまでに、沢山の方に迷惑かけたのだから少しは自重してほしい・・・
と家族は思ってしまいますし、
他人を巻きこむ事故でもおこしたらどうしよう??と
不安になります。

でも、こんな時、当の高齢者は、
まったく聞く耳を持ちません。
これも、高齢者あるある話ですね。

見渡せば、世の中には、
おじいさんおばあさんのヨロヨロ運転の自転車がたくさん走っています。

私の印象では、
どちらかというと、
「ヨロヨロじじチャリ」のほうが多いように思います。
女性のほうが用心するのかな?
あくまでも私の印象です(笑)

高齢者の運転免許問題と同じく、自転車についても悩ましい問題ですね。

みなさんは、どう対応されていますか?

 

【やれる事をやれる範囲でやるしかない】

今回の大事件での最大の教訓は、
「親の身元がわかるようにしておくこと」
です。

ほかにも、さまざまな問題が浮き彫りになりました。

だからと言って、
今の時点でやれることは限られています。
親の行動を制限しすぎても窮屈になるばかりです。
(そもそも制限なんてできませんが・・・・・)

大騒動が一段落して、改めて思うのは、

結局、
「やれる事をやれる範囲でやるしかない」という事実です。

あれだけ振り回されたのに、
自転車を買う事さえ止める事ができません。

介護は長く続く場合が多いです。
完璧を求めすぎても疲弊してしまいます。

だから・・・・。

こんつめすぎずにいきましょう!

大丈夫!なんとかなりますよo(^▽^)o

 

遠距離介護のケアミーツ  Chie

http://care-meets.com

 

 

 

ABOUT ME
ちえさん
遠距離介護のケアミーツ代表